「やっぱり国には勝てないのか」 雅子さんが求めに“不開示”

夫はどうして亡くなったのか。

翌2019年、雅子さんは公務員の労働環境などを管理する人事院に、個人情報の開示を求めます。でも最初に出てきた文書は、ほとんど黒塗りにされていました。 

なぜ改ざんしたのか。雅子さんは裁判に踏み切ります。国と佐川元理財局長を相手どり、1億円あまりの損害賠償を求め提訴。

ところが、国は賠償金をすべて支払う「認諾」という手続きをとり、裁判は突然終了しました。

雅子さん(2021年12月)
「ふざけんなって思いました。夫は国に殺されて、何度となく殺されてきましたけど、今日もまた打ちのめされてしまいました。お金を払えば済む問題じゃないです」

雅子さんは裁判とは別に、国に対し、検察に任意提出した全ての文書の開示を求めていました。しかし、 返ってきたのは「行政文書不開示決定通知書」。

文書の存在すら明かさず、不開示という回答でした。取り消しを求め提訴しますが、大阪地裁は国の主張を認めました。

雅子さん
「やっぱり国には勝てないのかなと思いました」