日本企業が“人材教育”の種まきをした?

中国が生産拠点として魅力があるのは、人件費の安さゆえ。現在は中国の人件費が上昇し、ベトナム・マレーシア・インドなどに取ってかわっていますが、かつては日本の約10分の1という安さでした。
また、上海万博に向け、港湾整備・輸出入向上などインフラ整備が進みました。通関のデジタル化やAI化・IT化によるスマート港湾も整備されています。
さらに、2001年のWTO(世界貿易機関)加盟を機に市場を全面開放し、イトーヨーカドー・伊勢丹・ジャスコなどが進出。これら日本企業が、中国の“人材教育”の種まきをしたという側面があり、他のアジア諸国と比較して技術労働者の質が高くなりました。
しかし、その後、2010年ごろまで急成長した中国経済に陰りが見え始めます。2013年から始まった習近平体制下で民間企業より国有企業を優先する経済政策が取られたことなどが原因で成長が減速。2015年ごろから“中国一極集中”のリスクを分散させる「チャイナプラスワン」が提唱されました。
今回の日中関係悪化による影響が限定的であるのは、この10年間のリスク分散の成果とも言えるようです。














