五輪&万博が準備した「巨大市場」「安価工場」

 中国ビジネスの魅力は、何と言っても「巨大市場」と「安価工場」。この2つを作り上げたのが、2008年の北京五輪と2010年の上海万博です。

 この2つの国家的イベントにより、高速道路などが整備され、農村から都市部へ人口移動が進みました。その結果、中国の人口約14億人のうち、都市部が人口約9億人に。そのうち70%=約6億人がミドルクラスとなり、購買力が拡大しました。

 そして、1人当たりのGDPは急成長。2008年ごろには「車が買える」と言われる3000ドルラインを突破しました。現在は1992年と比べて約30倍となり、日本との差は約2.5倍にまで迫っています。

<1人当たりのGDP>
▼1992年 中国423ドル    日本3万2008ドル
▼2008年 中国3504ドル   日本3万9992ドル
▼現在    中国1万3314ドル 日本 3万2443ドル
(資料:GLOBAL NOTE 出典:IMF)

 この巨大市場を狙い、トヨタ・資生堂・パナソニック・ユニクロなどのグローバル企業がこぞって進出。ユニクロにいたっては、日本の店舗数794を上回る、902店舗を展開しています(2025年8月期)。