「家が燃えているのに人が出てこない」
12月18日、宮城県登米市の防災センター。自営業の髙橋慎さん(46)に人命救助の感謝状が贈られた。救出劇は2か月前に遡る。
10月9日午後2時半頃、宮城県登米市で高齢男性が一人で暮らす木造平屋の住宅などから火が上がった。立ち上った黒い煙は約30メートル。最終的に住宅2棟と物置4棟の計6棟が全焼するほどの火災だった。爆発音も響いた。

当時、現場から100メートルほど離れた職場で洗車をしていた髙橋さん。様子を見に行くと、住宅から煙と炎が上がっていた。立ち尽くす髙橋さんの耳に、こんな言葉が聞こえてきた。
「こんなに家が燃えているのに人が出てこない」
髙橋さんは意を決して母屋の玄関をくぐった。
















