「生活が苦しい」世帯は約6割に 影響は年金生活者にも

物価高の影響は、年金生活者にも。

名古屋市に住む松江さん夫婦。夫の譲さん(79)は、6年前からシルバー人材センターの仕事を始め、小銭を貯めている。

妻・洋美さん
「なるべく使わないように。お正月だよね、孫たちに小遣いあげないかん」

――お年玉?

妻・洋美さん

「お年玉と誕生日がばーっとある。そういうお金も考えておかないといけないもんで」

ひと月に使える年金は18万円ほど。妻の洋美さん(79)がつけている家計簿には…

妻・洋美さん
「休みにした、生協の配達を休みに。月に1回。ちょっと節約しないかん。お米もなんでもここで買ってるんです、猫のエサまで」

毎週、食料品や日用品などを配達でまとめ買いすることを、約50年間欠かさず続けてきたという。しかし節約のため、2025年10月から配達の回数を減らした。

妻・洋美さん
「まとめ買いを月1回休みにするとちょっと浮いて、1万円ぐらい違ってくる」
「食べることを何しろ少なく。前は5品ぐらい作っとったんですけど、3品にするとか、2品にするとか」

洋美さんは配達の明細書を保管している。10年前は188円だった2人前の味噌煮込みうどんが、2025年は238円に値上がりしていた。

夫婦の長年の習慣にも変化が。

――シルビアって?

妻・洋美さん

「喫茶店。もう今行ってないんです、高くなってから。8月ぐらいからやめました、喫茶店行くの」

その喫茶店には毎週日曜日、夫婦で通っていたという。

家計簿には、いつも頼むサンドイッチ代がメモされていて、10年前は620円だったが、2025年は800円と記録されている。

急に店に行くのをやめたことが心残りだ。

――お店の人はどう思ってる?

夫・譲さん

「わからん、『どうしたんだろう』と言ってるんじゃない」
妻・洋美さん
「来なくなって『亡くなったかな』と思われてると思う」

厚労省による調査では2024年、生活が「苦しい」と答えた世帯は全体の58.9%にのぼった。さらに、「大変苦しい」と答えた世帯は5年前と比べ、6ポイント以上増えている。

松江さん夫婦が求める物価高対策は。

妻・洋美さん
「おこめ券じゃなくて、消費税を減らしてもらった方がいい」
夫・譲さん
「食料品だよね、本当はゼロまで減らしてほしいけど、5%ぐらいまで(下げてほしい)」