東京・赤坂の個室サウナ店で夫婦が死亡した火事。妻を守ろうとしたのか、夫は妻に覆い被さるように倒れていました。その夫の両手には皮下出血があり、ドアのガラスを叩いて外に懸命に助けを求めたとみられています。

港区赤坂にある個室サウナ店で、美容室を経営する松田政也さん(36)と、その妻(37)が死亡した火事。JNNは今回、店内の映像を入手しました。

全て個室のプライベートサウナ。シャワー室には浴槽、水風呂でしょうか。その目と鼻の先に2~3畳のサウナ室があります。

ドアの付近で政也さんが妻に覆い被さるように倒れていた夫婦。サウナ室に閉じ込められ、政也さんは最期まで妻を高温などから守ろうとしたとみられています。

必死に脱出を試みた状況も見えてきました。捜査関係者への取材で、政也さんの両手には皮下出血があったことが新たに分かりました。ドアのガラスは衝撃に強く割れていませんでしたが、表面には叩いたような跡が残っていたということです。

政也さんをよく知る友人は…

政也さんの友人
「めちゃくちゃ愛妻家だったと思うので、少ない休みの時間に奥様と一緒にいる時間っていうのが、ほんとに励みになって。ご家族を非常に大切にしながら、仕事も一生懸命」

数年前には子どもが生まれ、家族と過ごすのが「自分にとって大切な時間だ」と話していたそうです。

夫婦の死因は不詳ですが、「焼死」または「高体温症」の可能性が高いとみられています。

一般的にサウナの室温は70度から90度が推奨されていますが、サウナで高体温症になった患者を診たことのある救命医は…

済生会横浜市東部病院 救急科 松本松圭 医師
「90度の温度で高湿度の環境だと、30分あったら、体には相当なダメージが来ると思う」

体の内部の温度が上がり…

済生会横浜市東部病院 救急科 松本松圭 医師
「深部体温が40度を超えたら意識障害がまず来て、42度を超えると体の臓器障害が発生すると思います。もう元に戻らない脳の変化が起きて死に至る」

捜査関係者によると、サウナ室内の非常用ボタンからつながる受信盤の電源について、店のオーナーは任意の調べに「2年前ごろから電源を入れたことがない」と話していることもわかりました。警視庁は業務上過失致死の疑いも視野に詳しく調べています。