懸念される「財政悪化」と「金利上昇」

日本を強くするために危機管理投資をし、それによりインフレ対策が益々必要になり財政が膨らむ。それがマーケットの懸念材料となり「円安」「長期金利上昇」にー

――2%の物価上昇であれば、2%近い長期金利でもおかしくはない。何が問題なのか

『ニッセイ基礎研究所』矢嶋康次さん:
「経済が良くなれば長期金利が上がるのは自然な姿で、別に今2%になったからといって何か世の中がおかしくなるというわけではない」

ただ、矢嶋さんが懸念するのは、今後の長期金利の上昇に「財政が持ちこたえられるか」だという。

矢嶋さん:
「名目成長率が上がれば税収が増えるので長期金利より名目成長率が高ければ財政は非常に良い状況で、今はものすごく良い。今後問題なってくるのは、経済が良くなってくれば自然と長期金利は上がってくるという点」

つまり、名目成長率から長期金利を引くと当面はプラスで「債務縮小」方向だが、近い将来にはひっくり返り「債務拡大」に。高圧経済で増えた税収を投資に回そうとしても、投資の効果が出るまでの数年のタイムラグを持ちこたえられるかだという。

矢嶋さん:
「政府主導で投資を始めて、成果が出てくれば名目成長率も上がる可能性はあると思うが、それがいつ出てくるのか今のところ見えない。なので財政の面ではさらに不安になって、金利が上がったときに『まだ上がるのでは』という懸念が出てしまうということ」

(BS-TBS『Bizスクエア』 2025年12月13日放送より)