事件のままの校舎に足を踏み入れた

(警察官)
「お嬢さんが被害に遭われた時の状況について説明したい」

 警察官の話によれば、警察は現場に残っていた数々の血痕を1つ1つDNA鑑定し、阪大病院に保存されていた麻希さんの血液と照合して、麻希さんの血痕を特定したのだという。電話から1週間経った9月28日、警察官が自宅を訪問し、学校の見取り図を示しながら、麻希さんの様子を丁寧に説明してくれた。「あす現場で確かめてもいいですか」と話した酒井さん。そして二人は、事件当時のまま保存されていた校舎に足を踏み入れることになった。

(酒井肇さん)
「私たちは警察にDNA鑑定を依頼したわけではない。DNA鑑定を通じて麻希の足取りが分かるなど想像すらしていなかった。ただ私たちは『どうしてでも最後の、麻希の最後の様子も含め、事件当時の詳しい様子を知りたいのです。そうしなければ私たち両親は一歩も前に進めない』と繰り返し繰り返し、訴え続けていただけでした」