元外務審議官「外交上何のプラスもない。百害あって一利なし」

2002年に拉致被害者帰国のため、北朝鮮との交渉にあたった元外務審議官・田中均氏。

今回、総理が台湾と具体的にあげたのは、安全保障の鉄則から外れたものだと批判した。

元外務審議官 田中均氏
「外交上何のプラスもない。百害あって一利なし。地域のことを言った途端に相手はまさに敵視する。防衛の概念で相手を刺激する必要性は全くない。

あえてそれ(具体名)を言わないというのが安全保障。高市総理はいとも簡単に言ってしまった」

1972年、日中国交正常化の際に合意した共同声明では「中国は台湾が中国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する」「日本はこの立場を十分理解し尊重」などと記された。

田中氏は、高市総理が「この共同声明に従って行動する」と改めて表明すべきだと話す。

元外務審議官 田中均氏  
「行動は総理にしか出来ない。総理がどういう意識なのか。『共同声明は大事だ』『日中関係は大事だ』『この存立事態についての宣言の一部は取り消したい』と言うべき。そこからしか物事は始まらない」