全国で1週間に報告されたインフルエンザの感染者数は、前の週からおよそ1.7倍に増えました。猛威を振るうインフルエンザ、かかりやすい人には「ある特徴」がありました。
■全国で「警報レベル」で流行するインフルエンザ
南波雅俊キャスター:
厚生労働省が11月21日午後2時に発表した「インフルエンザの発生状況(11月10~16日)」を見ますと、1医療機関あたり1週間で30人以上の「警報レベル(赤)」がかなりの都道府県にわたっています。1医療機関あたり1週間で10人以上「注意報レベル(黄)」もかなり増えています。
全国平均(1医療機関あたり)37.73人と、全国平均でも「警報レベル」という状況になっています。
■重なると発症リスク約3.6倍 感染しやすい「5タイプ」
南波キャスター:
インフルエンザに「かかりやすい人」と「そうでない人」がいます。そのリスク要因を調べたデータがあるんです。
弘前大学・京都大学・大正製薬の共同研究チームが、20歳以上の約1000人の血液検査、生活習慣、職業など、3000項目以上のデータを収集し、調べたところ、「インフルエンザにかかりやすい5タイプ」が判明しました。
【インフルエンザにかかりやすい5タイプ】
※考えられる5つのパターンと、リスク要因の背景
▼血糖が高め
→免疫低下
▼肺炎の既往歴あり
→元々感染症への抵抗力弱い可能性
▼多忙・睡眠不足
→免疫に関するホルモンの乱れ
▼栄養不足
→免疫細胞弱くなる
▼アレルギーあり
→呼吸器のバリア機能弱める
また、「5タイプ」の複数の要因が重なるとリスクが増加するとのこと。
例えば、▼肺炎の既往あり、▼血糖が高め、▼睡眠不足、と3つのリスクが重なった場合、リスクがない人に比べ、発症リスクは約3.6倍になるそうです。
山内あゆキャスター:
逆に言えば1つでも、どれかのタイプをクリアできればリスクは下がるということですよね。
例えば、▼肺炎の既往歴があり、▼血糖が高め。これらは体質などによるものなのでどうしようもないですが、▼多忙・睡眠不足、これを解消する努力をするだけで、リスクを下げることができるというデータでもありますよね。
南波キャスター:
まさにそういうことです。5タイプは重なるほど、インフルエンザのリスクを上げる要因になります。睡眠を取る、栄養を摂るという点など、自身の意識で気をつけられることもあるというデータになっています。
■例年よりも長期間の可能性…「インフルエンザの気になる疑問」
南波キャスター:
ひなた在宅クリニック山王・田代和馬院長によると、今年のインフルエンザの特徴は「流行入り早く、長期間の可能性」ということです。
特に「長期間の可能性」の点においては、今年は9月~3月頃まで続くのではないかとみられています。例年は11月~3月頃までなので、比較しても、かなりの長期間が予測されています。
長期間の流行を踏まえて、ワクチン接種での疑問です。
▼ワクチンは2回打つべき?(13歳未満は2回接種)
正解は「原則は1回接種」となっています。ただし医師の判断で、2回接種になる場合があります。
そもそも、インフルエンザのワクチンは1回の接種で抗体が約6か月は保たれるとされています。なので、1回の接種で流行期の3月まではしっかりと抗体が保たれるということです。
▼ワクチン接種前に感染、ワクチン打つべき?
ひなた在宅クリニック山王・田代和馬院長は「打った方がよい」と指摘しています。
理由としては、基本的にワクチンはその年ごとの「流行しやすい型」をベースに製造されます。その「流行しやすい型」は1種類のみではなく、2種類ないし複数の種類が含まれています。
ワクチン接種前の人が、そのうちの1つの型に感染して発症した場合、次もその型を発症する可能性は非常に低い一方で、もう1つの型に感染・発症する可能性はあります。そのため、ワクチン接種をしておけば、リスクを下げることができます。
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