小林の対マラソン勢との走り、対区間賞候補との走りに注目
区間賞争いは昨年区間賞の五島と、区間2位の廣中の間で繰り広げられそうだ。昨年は廣中が13秒先に中継所をスタートし、3km過ぎでトップを走る積水化学・佐藤をとらえた。5.5km付近からリードを奪っていったが、五島に7.9km付近で逆転された。4区への中継では五島が3秒先着。区間タイムも五島が16秒勝っていた。五島は入社2年目の21年から5区、5区、1区、3区と4年連続区間賞の快挙を達成した。
今年の五島は世界陸上の代表入りを狙わず、練習は継続していたが「パフォーマンスを出す状態にしなかった」(資生堂・青野宰明監督)ため、目立った記録では走っていない。9月の全日本実業団陸上10000mも16位と振るわなかった。
「全日本実業団陸上の後に質の高い練習を入れて、状態が上がってきました。今までで一番良いんじゃないかと思っています」と青野監督。
廣中も昨年は故障期間が長く、クイーンズ駅伝がシーズン初戦だった。2人とも昨年以上の走りが期待できるとなると、昨年同様、2人の区間賞争いになる可能性が高い。
河野監督が区間賞から1分以内と話したのは、五島と廣中を想定してのことだろう。前回の五島に1分を足すと区間10位相当になる。もう少し上の区間順位、小さいタイム差で走って欲しい、というのが本音だと思われるが、五島と廣中の10kmのスピードはそのくらいレベルが高い。
小林としては佐藤、前田、松田といったマラソン勢に勝てば健闘といえるだろう。だが本人も五島、廣中との対決を楽しみにしているように、10000mの代表たちに食い下がるシーンも見てみたい。
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)

















