日本は温暖化の影響により世界で最も夏が長くなっている地域
気象庁は、2023年から2025年まで3年連続で夏(6月~8月)の平均気温が過去最高を記録したと発表している。滝川さんが研究に使用している観測データはまだ2024年の夏までしか出ていないが、「気温に基づく2025年の夏の期間」は2024年と同じ程度か、それ以上に長くなっていてもおかしくない。
立花教授は「日本が世界で最も夏が延びている地域であることは事実」として、日本は地球温暖化の影響を大きく受けている国の一つだと言い切る。
「夏が133日間ということは、約4.2か月もの長さです。私は今まで日本は二季に変わってくるだろうという意味で二季化と言っていましたが、この数字を見るともう二季ですよね。日本周辺の海面水温が高い状態はおさまっていませんので、年によっては気象状況が変化して夏が短くなる地域もあるかもしれませんが、傾向としては今後もますます延びていくのではないでしょうか。
海面水温が上昇するのは、二酸化炭素が増加しているからです。二酸化炭素は熱を吸収するガスなので、鍋の蓋と同じ機能をして、地面や海面を温めています。二酸化炭素の増加を抑えていけば徐々に海面水温も下がるものの、大陸に比べると日本は元に戻るのに時間がかかります。この研究成果によって、日本は地球温暖化の影響で世界の中でも夏が長くなっている国だということを、もっと多くの人に知ってもらいたいですね」
今後さらに日本の夏が延びて「二季」になることで、ゲリラ豪雨などによる災害や熱中症の危険は高まり、農作物や海産物、さらには生活にも影響をもたらす。日本の「二季」の実状を知るとともに、このままでいいのかを考える時期に来ているのではないだろうか。
【調査情報デジタル】
1958年創刊のTBSの情報誌「調査情報」を引き継いだデジタル版のWebマガジン(TBSメディア総研発行)。テレビ、メディア等に関する多彩な論考と情報を掲載。原則、毎週土曜日午前中に2本程度の記事を公開・配信している。














