夏が長くなった原因は海面水温の上昇と偏西風の蛇行
日本には四季があるとされてきたにも関わらず、四季それぞれの日数は均等ではない。しかも変化している。その理由を滝川さんは「海の影響」と解説する。
「日本は海に囲まれていることによって、季節が変化しています。海面水温が世界的に上昇し、日本海の水温が特に上がっていることで、日本の夏の期間が長くなっていました。
5月や6月は、従来なら海水は冷たいのですが、日本海で温まった空気がこの時期に西から東に吹く偏西風によって日本に流れてきます。その結果、日本列島は早い時期から温められて、夏が早く来るようになっています」
日本だけ夏の終了日も延びている理由を立花教授は、海の影響に加えて、偏西風や日本の地理的条件も影響していると説明した。
「日本周辺の海面水温は、9月後半から10月前半にかけても高くなっています。海面水温が春も、夏も、秋も上昇している理由の一つは、熱帯から日本周辺に流れてきている黒潮と、分流として日本海へと流れ込む対馬海流が、熱帯地方の温暖化によって熱くなっていることです。流れが速い海流なので、熱い海水がどんどん日本列島周辺に流れてきています。
もう一つの理由は、日本付近が7月や8月に偏西風が北に蛇行しやすい場所になっていて、高気圧の暖気に覆われやすくなっていることです。夏が猛暑になり、その影響でまた水温が上がるため、9月や10月も暑い状態が続くのです。大陸は熱しやすく冷めやすいのに対して、海水はなかなか冷めません。だから、日本が北半球で最も夏が延びている地域になっています。予想はしていましたが、事実として示されたので私も驚きました」














