高市政権発足から1か月。自民党と公明党の“熟年離婚”と呼ばれる連立解消を経て、自民党と日本維新の会による新たな連立政権が動き始めた。しかし、連立合意の目玉政策となった「議員定数削減」をめぐって両党の温度差が表面化している。この政策は単なる改革の一歩なのか、それとも政権の将来を占う試金石なのか。新しい連立の現在地に迫る。

“ベンチャー政党”維新が直面する「連立の現実」

日本維新の会の藤田文武共同代表は、自ら「我々はベンチャー政党だ」と表現する。自民党との連立協議を振り返り、こう語る。

「私はベンチャー政党の共同代表を務めているが、たった5、6年において意思決定側に行くことができるというこのスピード感は民間では当たり前。今の政治を象徴しているのは、大企業病たる自民党の政治風土がどう変わっていくかということが、今後の社会がどう変わるかにイコールだ」(11月13日の発言)

与党を長く経験していない維新にとって、連立入りで変わったことは多い。連立合意に基づく自民党との政策協議のほか、与党の一員として政府、各省庁からも説明レクが増え、議員たちは奔走している。

与党担当のTBSテレビ政治部・青木孝仁記者は「自民党も維新も性格がお互いにまだ分かっていない。手探りで動いている」と指摘する。

26年間続いた自公連立と違い、自維連立は“歳の差婚”のような状態だ。藤田共同代表は両党の関係性について「自公政権は選挙的な面で非常に相性がいい。しかし政策的には改革が前に進まない構造が大きくあった」「自維は選挙の相性は非常に悪いが、政策の相性は非常にいい」と説明した。

この「政策の相性」が早速試されているのが「議員定数削減」だ。