「絶対に大丈夫と言われた」福島の放射線除染で自宅・店が取り壊し

 しかし日本では、2011年に東日本大震災が発生、福島第一原発で事故が起きています。いくら安全と言われても、暮らしが奪われた人の思いは複雑です。

 福島県富岡町の自宅の隣で美容室を経営していた深谷敬子さん(81)。放射線の除染の対象区域だった自宅と美容室は取り壊されてしまいました。地元の人たちが集まる憩いの場所だったと言います。

 (深谷敬子さん)「やっぱりここは本当に思い出がいっぱいあって。苦労したことも、ここで子育てしたことも、楽しかったことも。いろいろあったんだけど、それすべて、こういうふうになったら、何もかもなくなっちゃったのと同じじゃないですか」

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 深谷さんは、事故が起きるまで原発が近くにあることについて特に意識もしていなかったと話します。

 (深谷敬子さん)「絶対事故は起きないし、一番頑丈な地盤のきちんとしたところに建てたんだから、絶対に大丈夫なんですって(言われた)。本当に事故が起きてみたら…原発はいらないね。安心して安全なところに暮らしたいよね」

 美浜町で原発新設の動きが出ていることについて聞くと…

 (深谷敬子さん)「事故が起きたらこんなになるんですよ。私ひとりじゃなくて、ものすごい数の人たちが、大熊町や双葉町や浪江町の人たちの人生みんな狂うんですよ。全然分からない人に訴えたい」