すでに起きていた事故の予兆
実は事故の半年前に行われ、約5万5,000人が集まった年末のカウントダウンイベントでも、今回の現場となった歩道橋で人が動けなくなる混雑混乱が、約20分間発生していました。
そのため今回の花火大会の「実施計画書」にも、この歩道橋上で観客の“滞留が予想される”と記載されています。つまり、事故の危険性は事前にある程度予見されており、さらに今回は10万人以上もの人出が予想されていたにもかかわらず、抜本的な対策は講じられていなかったのです。
明石市は、花火大会の実施にあたり、「警察と相談の上、歩道橋上およびその周辺に警備員や市の職員合わせて40人を配置し、来場者の誘導にあたらせた」と説明しましたが、結果として深刻な滞留が発生しました。
しかも、事故発生の約1時間前には、現場の警備担当者から上層部に対し、「橋の上の人が動かなくなった」という状況を伝える報告が実際にあがっていました。
このような警備体制の不備と、初期段階での対応の遅れが、結果として最悪の事態を招いた大きな原因とされています。














