2003年まで地球のまわりを

5号機打ち上げ後、衛星からの電波が確認されると、内之浦の管制室は歓喜に包まれました。独自技術で宇宙へ到達するという、日本の長年の悲願がついにかなえられたのです。人工衛星の打ち上げ成功はソ連、米国、フランスについでの快挙でしたが、ソ米仏の3か国が軍事技術を転用しての成功だったのに比較すると、日本のロケットはあくまで平和的な研究の末でした。

喜び方が昭和です。

人工衛星 「おおすみ」は高度約350km以上の軌道を周回し、そのまま2003年まで地球を回り続けました。

おおすみは2003年、大気圏に突入し、燃え尽きました。(背景CGはイメージ)

この後、日本の衛星打ち上げ技術は、気象衛星や惑星探査機などより高度な宇宙科学へと進んでいきます。今日の「はやぶさ」「はやぶさ2」などの成果は、この小さな衛星の成功が築いた基盤の上にあるのです。