「大切な娘を殺したのは自分だ」―遺族の苦しみ
20歳の娘を殺された父親として、犯人を憎む気持ちは当然ありました。しかし、米村さんが最も強く感じたのは、別の感情だったといいます。
「私は高校入学祝いに買ってあげたパソコンを通じて文字だけの人として知り合ったわけだから、大切な娘を殺したのは自分だと感じました」
この自責の念は、米村さん一人に限らず、家族全員に広がりました。
事件の1週間ほど前、ちいちゃんは入院していた姉に相談事をしていました。姉は「お父さんに相談しなさい」とアドバイスしましたが、ちいちゃんは「もう少しだけ自分で頑張ってみるから」と答えたそうです。そしてその1週間後に命を奪われました。
22歳の姉は「お父さんに言わなかった自分が大切な妹を殺してしまった」と考えるようになりました。また、ちいちゃんが飼っていた小鳥が事件の3ヶ月ほど前に事故で死んでしまい、それをきっかけに、ちいちゃんと殺害犯のメールのやり取りが復活していたことから、母親も自分に責任があると感じるようになりました。
「残された4人の家族のうち3人までが、大切な子供、娘を殺したのは自分だ。大切な妹を殺したのは自分だと思うような家族になってしまったんですね」














