最大で3.13倍ある「1票の格差」を是正しないまま実施した7月の参議院選挙は、憲法に違反するとして、北海道選挙区の選挙無効を求めた裁判で、札幌高裁は10日「違憲状態」と判断しました。

札幌市の70代男性と弁護士グループは、参院選の北海道選挙区は議員1人当たりの有権者数が全国で最も少ない福井選挙区の2.34倍で、「1票の価値」は福井選挙区の0.43票分しかないとして選挙結果の無効を求めていました。

10日の判決で、札幌高裁は「投票価値の平等が憲法上の要請であることを考えると3倍程度の較差は著しい不平等状態で容認できない」として、「違憲状態」と判断しました。

一方で「不均衡を是正するための手続きには相応の時間を要する」として選挙の無効については請求を棄却しました。

原告団 升永英俊弁護士「(判決では)正当に選挙されていないと言っている。これは革命的なこと」

同様の裁判は全国で16件起こされていて、今回が11件目の判決です。

これまで札幌を含め「違憲状態」が7件、「合憲」が4件と判断が分かれています。