「日々の鍛錬で自分を超えていく」“日本一”を目指す中越野球部に伝えた言葉
約2時間に及んだ練習終了後、イチローさんは中越野球部員たちに静かに語りかけた。
イチロー:日々の鍛錬で自分を超えていく、寒い新潟県で技術的な練習が難しい中で。自分に厳しくできる人は、ずっとそれを続けられる。自分に優しいというか甘いっていうか、そういう気持ちはみんな持ってると思うんだけれども、この一歩を超えなきゃいけないのに、今日はやめておこう、気分が乗らないから。よくあることだよね。それが(自分で)できなければ、仲間に助けてもらう、見てもらう。
中越野球部は、1年生から3年生まで野球部員と女子マネージャー含めて総勢98人の大所帯だ。
イチロー:監督も1人1人見るって難しい。それは選手それぞれが、みんなのことをそれぞれ見ているっていう目をこれから持ってほしい。
イチロー:みんなの今の目標は何ですか?
部員:日本一です。
イチロー:日本一。おぉー、そう。相手として嫌なチームってやっぱり不気味なチームっていうかさ、こいつは何考えてるのか分からないけど、でも結果を出す。淡々と結果を残されたら、お手上げですよ。メンタルもやられる。野球の結果だけじゃなくて、そういうチームであって欲しいなっていう。まずは新潟県内でそういう存在になるという所は、分かりやすい目標としてね。これは一つの伝統にしてほしい。こうやってみんなと会ったからこそ、志を持ってほしい。そうやって相手を上回るのも大事なこと。圧倒的に勝ちたいんだったら、みんなそれを持っていってほしい。
真剣な眼差しで聞き入る中越ナインにイチローさんは、最高の誉め言葉を贈った。
イチロー:この表情、どういう表情で僕のことを見てるかっていうので、何か気持ちの強さというかね、思いの大きさというかそういうものを感じるわけだけど、相当だねこれは、いいよ!期待しています、頑張って!
レジェンドから数々の金言を受けた中越ナインは「短い間でしたがイチローさんと関わることができて、本当にいいものをいただきました。本当にありがとうございました!」と、部員全員で一礼した。














