平林らの奮起で、ニューイヤー駅伝でも優勝争いできるチームに
ロジスティードの東日本実業団駅伝過去最高順位は3位。別府監督は「今回も3番を目標に、手堅くできればいい、と考えていました。大きなブレーキなく進めることができた結果の優勝です」と総括。東日本優勝チームとしては、ニューイヤー駅伝でも3位以内を目標としていいところだが、「8番という目標を掲げています。今回と同様に背伸びをせず、着実な駅伝をやっていきたい。平均年齢が23.3歳と若いチームなので、崩れるともろいところもあります。今日勝ったことを、どう変えていくかはこれからの仕事ですが、良い方向、形に変えていければと思います」と、慎重な目標設定を変えない。
しかしロジスティードの戦力は、今大会以上が期待できる。藤本は2年前の東日本実業団駅伝では3区の区間賞を取った選手。そして今回は負担の少ない7区に回ったが、大物ルーキーの平林がエース区間に意欲を見せる。
「今回はトラブルなくゴールテープを切ることを最優先としたので、区間賞は逃してしまいましたが、優勝できてチームとしても、個人としてもよかったのですが、個人としては3区を走りたかった。同学年の吉田響、篠原、太田がエース区間を担っていることを考えたら、自分もニューイヤー駅伝はしっかりエース区間(2区・21.9km)を担いたい。今日の四釜さんの走りが別の区間で発揮されれば、チームとしてもより良い結果につながると思います。今の自分では絶好調でも四釜さんに勝てないと思うので、勝てるようにここからしっかり練習を積んでいきたい。駅伝は平林がいれば大丈夫、と言われる選手になっていきたいと思います」
平林のこの言葉を聞いた四釜は、「ニューイヤーは譲らないと言いたいところなんですが、チームのことを考えるとどこでも走れる準備をしっかりしていきたいと思います」と笑いながら話した。5区(15.9km)が向かい風になり、ニューイヤー駅伝の中では起伏もあるコース。箱根駅伝5区で好走した四釜向きの区間とも言える。
またロジスティードには、東日本は走らなかったが牟田祐樹(32)、山谷正也(25)、石塚陽士(23)らが10000mで27分50秒台と、四釜、藤本と同レベルのタイムを持つ。特に山谷は前回のニューイヤー駅伝1区(12.3km)で、区間賞と4秒差の好走を見せた。
平林がニューイヤー駅伝の最長区間を走る状態になり、今回メンバーに入れなかった選手が奮起したとき、東日本の優勝を“良い方向、形”に変えたことになる。そのときロジスティードは、ニューイヤー駅伝でも優勝争いに加わるのではないか。
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)

















