順大では世界陸上マラソン11位の近藤と寮の同部屋だった四釜

四釜は山形中央高から順天堂大学に進み、4年時には箱根駅伝山登りの5区(20.8km)で区間2位と活躍した。順大の1学年先輩には、東京世界陸上マラソン11位の近藤亮太(26、三菱重工長崎)がいて、四釜の2年時には寮で同部屋だった。近藤は日常生活をしっかり送ることが、競技力向上につながるという信念を持つ。その考え方自体は珍しいことではないが、徹底ぶりが半端ではない。試合の前には部屋の整理整頓と清掃をするのが習慣で、世界陸上前もしっかりと行って世界との戦いに臨んでいた。

東日本と同じ日に九州実業団が行われ、四釜は「近藤さんも1区で区間賞を取りました」と嬉しそうに話した。「本当に真面目な方で、早くに就寝されたりしていました。陸上に対してすごく真剣に向き合う姿から、僕も学べたことがたくさんあります」。

近藤は実業団1年目の全日本実業団ハーフマラソンで、1時間00分32秒で日本人トップの3位と快走。そのときの走り方を再現できなかったが、入社3年目、25年2月の大阪マラソン前にコツをつかみ、初マラソン日本最高の2時間05分39秒(日本人トップの2位)で世界陸上代表入りを決めた。

近藤亮太選手

四釜も実業団1年目の全日本実業団ハーフマラソンに、1時間00分41秒で優勝した。入社2年目に予定していた初マラソンは、新型コロナに感染した影響で練習が滞り、出場を見送ったが、3年目の今シーズンに再挑戦する。近藤が記録を出した1年前の大阪マラソンでは、今年会社の後輩となった平林が2時間06分18秒と、当時の学生記録&初マラソン日本最高記録で走っている。

「次は自分が、と言うとちょっとプレッシャーになるので、気負いすぎずにしっかり臨めれば、と思います」

順大時代に全日本大学駅伝用のチーム紹介動画を、四釜が中心となってコント風に作ってバズったことがあった。今回もユーモアも込めながら、初マラソンへの強い意思を示した。