《幻の魚にはさせない…復活をかけた挑戦》
こうした状況の中、むかわ町では“シシャモを幻の魚にしてはいけない”そんな強い思いから、町の主役復活をかけた取り組みが始まっています。
むかわ町農業水産課 岩舘宏樹主任
「むかわ町では、鵡川の河口から遡上してきたシシャモを捕獲して、このふ化場に収容します」

むかわ町は3年前、7億5千万円以上を投じて、ふ化場を新設しました。ここを拠点に、卵から稚魚を育て、春に放流。未来へ向けた資源回復に取り組んでいます。
むかわ町農業水産課 岩舘宏樹主任
「ふ化場に敷いた砂利に、卵が付着して、春になったらシシャモがふ化する」

去年は、遡上してきた2万4千尾ほどを、ふ化場に収容。徹底した水温管理の中、7300万粒もの卵を育て、今後、1億粒を目標にしています。試験操業での明るい兆しに、シシャモの専門店も期待を寄せます。
カネダイ大野商店 大野秀貴代表
「むかわ町でも試験操業、船を出して調査をした。5センチ前後の赤ちゃんシシャモがたくさん入ったらしい。ふ化場で産まれたシシャモが、たくさん帰ってきて来年以降に繋がっているんじゃないかなと、明るい兆しも見えますので、来年には期待しております」

そして、むかわ町は今年、マチの条例で、11月1日を『むかわ町ししゃもの日』と制定。この日を復活への節目にしたい…、町はそんな願いを込めました。
むかわ町農業水産課 岩舘宏樹主任
「1が、三つ並んで漢字の『川』という字に見立てられるということ、1の持つ意味が“はじまり”“スタート”そういった意味もあることから、11月1日を『むかわ町ししゃもの日』として制定しました」

マチの宝であるシシャモが戻る日を待ち侘びて、むかわ町の取り組みは、静かに続いています。














