秋の港を賑わす食材の中で、北海道だけに生息する魚といえば、シシャモです。ただ“シシャモの町”として知られる北海道の太平洋沿岸に位置するむかわ町では、ここ数年、肝心の主役が、海から姿を消して、漁が中止になるなど、ピンチに瀕してます。地元では、シシャモ復活をかけた挑戦が続いています。

《海から消えた主役…シシャモの町は今》
じっくりと炙って…頭からいただく…。そんな堪らない秋のごちそうが、ここ数年、危機的な状況に陥っています。北海道の太平洋沿いにある、7200人ほどが暮らす、むかわ町。毎年、大勢の来場者を集めるイベント『秋の味覚まつり』が、10月25日に開催されました。

来場者
「めっちゃ美味しかったです」
来場した子供
「はじめてたべた…おいしい!」

約20年前、いち早くブランド化に取り組み、知名度抜群となった“鵡川ししゃも”。ところが、会場で振る舞われたシシャモのは、同じ太平洋沿いにある広尾町や白糠町で獲れたものばかりでした。
かつて『むかわ町ししゃも祭り』だった名称も2年前、改められていました。むかわ町はいま、厳しい事態に悩まされています。

鵡川漁業協同組合指導事業部 圷 勝部長
「漁師さんも苦渋の決断なんですよ。シシャモ漁を休むというのは。資源を回復させるため、また町に人々が来ていただくために、今は獲るのを我慢してシシャモをまた復活させる」

今シーズンも、シシャモ漁は中止。これで3年連続となります。むかわ町の漁獲量は、2017年の72トンから激減。2022年には、わずか65キロ、2千尾に届かない少なさでした。かつては、町内を流れる鵡川を埋めるほど、シシャモの群れが遡上する光景が、秋の風物詩でした。
















