《遡上するシシャモの群れ…川が黒く埋まるほど》

 今では禁じられていますが、当時のエピソードとして、祭りの来場者が教えてくれました。

来場者
「鵡川の橋の辺りが、シシャモの群れで真っ黒だった。竿で引っかけてやったんだよ。5個の針を付けたら、シシャモが5匹、釣れた。面白くてやめられなかった」(Q.昔はよくとれた?)
「獲れた獲れた」

川が真っ黒になるほどのシシャモとは、どんな様子なのか。HBCに貴重な映像アーカイブがあります。地元では、川で捕まえ、シシャモ汁や鍋にする時代もあったといいます。

《北海道だけの貴重な命…シシャモの群れに何が?》

 生息地が、北海道の太平洋沿いに限られる“シシャモ”。毎年10月下旬から11月まで、産卵のため、海から川へと遡上します。そんな北海道固有の秋の味覚で、長年、むかわ町の港や街は賑わってきたのですが、いまは静かな時間が流れています。

地元で獲れたシシャモを“すだれ干し”にして、店先に並べていた海産物の専門店では…。

カネダイ大野商店 大野秀貴代表
「いま販売しているししゃもは、北海道の襟裳地区や広尾町、大樹町といった、道東方面から新物ししゃもを仕入れて、製造・加工しています」

 むかわ町を歩いてみると、マンホールの蓋をはじめ、シシャモがデザインされたステンドグラスを施した街灯。ほかにも、意外な場所で、シシャモというフレーズを見つけることができました。