祭壇取り壊す指示 エスカレートする献金要求
1500万円をかけ、信者仲間と手作りした道場の内部も大きく変化していった。

天地正教・元信者 妻(80代)
「ここ、祭壇あったところ」
かつて弥勒菩薩像があった祭壇。旧統一教会側から、取り壊すよう指示を受けたという。
――統一教会に変わった後は?
天地正教・元信者 夫(80代)
「後はもう、こっちを塞いでしまって。“そんなもん石ころやから埋めてしまえ”とか、ある人に言われた。“全部砕いてしまってこれも捨ててしまえ”と言われたけど、もったいないから置いている」
祭壇を壊した後、部屋には文鮮明夫妻の写真が飾られた。天地正教の道場は、いつしか旧統一教会の集会所になっていた。
こうした旧統一教会への実質的な「移行」は、天地正教の信者に対して、和合(わごう)と説明された。旧統一教会で、「摂理」と呼ばれる様々な計画を実現するためとして、献金を求められ始めたという。その要求はしだいにエスカレートしていく。
天地正教・元信者 夫(80代)
「とにかくね“家にあるだけ出せ”ということなんですよ。献金のたびに“摂理”だった。韓国・清平で館を作るとか、費用のいる、お金のいる話」
天地正教・元信者 妻(80代)
「“ワールドセンターの摂理”とか。そういうの“摂理 摂理”って」
夫婦によると、献金額は2億円を超えるという。保険を次々に解約し、それでも足りず、消費者金融などから借金を繰り返していった。

天地正教・元信者 妻(80代)
「慌てて“やってあげなあかん”と思って。恥ずかしい思いして、キャッシュコーナー行ってお金をつくって、30万円ほど精一杯出して。プロミスも行った、武富士も行った。震えてくる。なんか、そこらから見られているような感じで」
夫婦は1999年に韓国へ渡り、文鮮明氏から祝福を受けた。
一方その前年に、弥勒菩薩が文鮮明氏であるとの宣言をした、2代目教主・新谷静江氏が天地正教を去っていた。一体何があったのか。

















