「弥勒様は文鮮明氏」 天地正教に変化

1993年に撮られた写真には、初代教主の川瀬カヨ氏と、旧統一教会の設立者・文鮮明氏が写っている。3か月後、川瀬氏はこの世を去った。

川瀬氏の死後、2代目教主には娘の新谷静江氏が就任した。信者向けの会報誌の中で突如、驚きの宣言をする。

「弥勒様は文鮮明師である」

弥勒菩薩が、実は文鮮明氏だったというのだ。新谷氏は、川瀬カヨ氏が生前に、“弥勒が文鮮明氏である”との「お告げ」を受けていたと信者に説明していた。

和歌山市の天地正教・元信者によると、この宣言の後から自宅の道場に旧統一教会の信者が次々とやってくるようになったという。

天地正教・元信者 夫(80代)
「旧統一教会の方へ合流というか、吸収というか、一緒になってしまった。全部ですわ。天地正教一式全部が統一協会に移行したという形」

――きょうから私たちは統一教会だと?
「そうそう、移行しますということで。“みなさん入りますか?”ということで、全員そっくりそのまま」

――その時に疑問は抱かなかったのか?
「天地正教は仏教系だったけど、統一教会はキリスト教系だったので、ちょっと“ズレ”はありましたね。なんかこっちは見下げられたような、そういう心境にはなりましたけど。最初は」

義理の娘は当時、道場の庭先でこんな光景を目の当たりにしていた。

天地正教・元信者 義理の娘(50代)
「信者が叶えたいことを書いていた護摩木を全部焼いていた。何人か“上の人”らが来て、ドラム缶が置いてあって、そこでボンボン焼いていた。もう天地正教のもの要らんやん。だからちゃうん」