この日、田中さんは被災地で支援活動を続けている友人の鶴沢木綿子さんに出会いました。
友人 鶴沢木綿子さん
「持ち主の親族が解体されるのを聞いて、解体初日に柱の匂いをかいで帰ったって言ってた。それくらい思い入れがあるらしい。今残してくれとお願いした」
案内してもらったのは、公費解体が始まった近所にある築100年以上の住宅です。

木地師 田中俊也さん
「おじゃまします。うぉーこれ??でかいね、これケヤキだ!すごい。これは使えますね」
太く立派な木材が使われた趣が残る住宅。
友人 鶴沢木綿子さん
「能登では解体されまくってます、こういう立派な家が。本当に守りたかったけど難しくて。うまくマッチングができればよかったけどそこまで出来なかった」
木地師 田中俊也さん
「公費解体のスピード感のほうが早すぎたよね」
友人 鶴沢木綿子さん
「公費解体の締め切りがあって、そこまでに決断しないといけないので…。それがやっぱり大きい」

被災した家屋の修繕や利活用を検討してもらうための「留保」という選択肢はあるものの、一部を除き公費解体が見込まれている4万2000棟あまりのうち、9月末までに終了したのはおよそ9割。県が目標としている10月末までの完了を目指し急ピッチで進められています。
家の持ち主
「家の一部を残せることは嬉しい。なにか記念というか心に残るものがあれば」













