石井巧選手


杉谷氏は14年間、プロの世界で内野手として活躍してきた。そんな杉谷氏が見る「良い遊撃手」の条件は「ショートはやっぱりスローイング」と、とにかく送球が重要とのこと。「(送球時に)しっかり壁を作って投げられている選手は、スローイングミスはないから。足運び、打球への入り方、投げるまでが一連の動作でできる選手は、良い内野手」と語ったうえで「石井は身体の強さもあるし、間違いない」と高評価。

さらに、「二遊間をきっちり守れるし、(打撃では)しっかり進塁打を打ったり。郡司選手(裕也・日本ハム)みたいなイメージかな、ユーティリティーみたいな。どの打順でも、どこに当てはめても、職人気質じゃないけど。この選手を1人獲っただけで、試合にずっと出ていても、チームに変化を起こせる選手かな」と守備位置や打順を問わないユーティリティーさも評価する。

そんな石井のイチオシポイントを改めて聞くと、「石井米、実家の石井米!」と即答。「石井は、ピンの弟だから」。“ピン”とは杉谷氏の日本ハム時代の同僚、石井一成(日本ハム・内野手)のことで、実は巧は一成の実弟だ。一成は、実家が栃木県那須郡那珂川町で、米農家であることで知られ、そのブランド名が「石井米」。その弟の巧も「大自然で育った屈強な身体、米農家で育った下半身の強さ、これが安心感のある良い守備につながっている」とのこと。

さらに石井に対し「ピンの弟ってだけで、人間的に信頼している(笑)。石井家の人間というだけで信頼感がある」と杉谷氏だからこそわかる人物評もあった。

美味しいお米の力で鍛えた身体と守備力を持つ石井。兄・一成が待つプロの世界に入ることができるのか、運命のドラフト会議は10月23日だ。

■石井巧(いしい たくみ)
2002年3月2日生まれ、23歳。179cm、81kg。右投右打、内野手
栃木・作新学院高時代は3年夏に主将として夏の甲子園に出場し、8強。東都大学リーグ・中央大から社会人NTT東日本に進む。昨年のU-23W杯で日本代表初選出。兄は日本ハムで活躍する一成(31・内野手)。