3、4区でトップ争い。勝負は5区か?

優勝候補筆頭には、豪華メンバーの三井住友海上が挙げられている。1区・永長里緒(23)、2区・西山未奈美(25)、3区・兼友、4区・カマウ・タビタジェリ(25)、5区・樺沢和佳奈(26)、6区・松田杏奈(31)の布陣。

永長は昨年の日本インカレ5000m、10000mとも3位と、学生トップレベルだった選手。西山は3000m障害で今年の日本選手権と全日本実業団陸上に優勝した。3区が日本選手権3位の兼友、5区にパリオリンピック™5000m代表だった樺沢と、今大会一番の豪華メンバーだ。

鈴木尚人監督はレース展開を次のように展望した。「永長が良い流れを作ってくれたら、2区の西山でトップに立つかもしれませんが、3区が他チームも強力なので、3区で抜かれても我慢したい。4区のタビタジェリと5区の樺沢で抜け出したい」

三井住友海上に対抗できるのは前回優勝のユニクロか。カギを握るのは1区の後藤夢(25)と2区の奥本菜瑠海(19)だろう。後藤は1500mで23年ブダペスト世界陸上、昨年のパリ五輪と代表だったスピードランナー。昨年は3.6kmの2区で区間賞、トラックの5000mでも15分37秒44のタイムを持つが、7kmの距離は実績がない。奥本は2年前の全国高校駅伝でエース区間の1区で区間賞を取った選手。実業団1年目の昨年(当時の所属チームは日立)はプリンセス駅伝2区区間6位、クイーンズ駅伝も2区で区間18位。今年度の目標に「完全復帰」(自社ホームページ)を掲げる。

1、2区でトップから大きく後れなければ3区の川口、4区のオマレ・ドルフィンニャボケ(24)でトップに立つ展開に持ち込める。このあたりは三井住友海上と似た戦力といえるが、違いは5区だ。ユニクロは現役復帰した市田美咲(34)が、6区は移籍加入した柳谷日菜(25)が担う。市田はエディオンで活躍した選手で、マラソンに2時間25分51秒の記録を、柳谷は10000mで31分台(31分56秒32)のスピードを持つ。5区の市田が、五輪代表だった樺沢に対してどんな走りができるか。ベテランの走りが勝負の行方を左右するかもしれない。