小林は負担の少ない5区だが、チームの予選会通過を左右する可能性も
東京世界陸上を沸かせた小林は、前回区間2位で走った3区ではなく、5区に出場する。世界陸上のダメージが出ていたことで、「3区のガチャガチャした(争いが激しくなる)ところは負担が大きい」と河野監督が判断した。
世界陸上後は「左の足底が気になる状態」(同監督)だった。「それをかばって左ひざが気になり始め、そこから左の太腿の筋肉痛が出てしまった」。駅伝に合わせるのではなく、現状に合わせた練習を組み、小林の状態が上がってくるのを待った。最終的に5区と決めたのは、「最後のポイント練習をスーッと走ることができた」と確認してからだった。
5区は3区ほど、激しい競り合いとなるシーンは少ない。3区だった前回は、最初の1kmを3分05秒のスピードで入った。前にいる選手を追ってオーバーペース気味で走ったが、そのときのようにスピードが出せる状態ではない。無理のかからない範囲で、一定スピードを維持する走り方に徹するだろう。前回の3区は自身も驚く走りだったが、一定ペースで押して行く走りは小林の得意とするところだ。
チームも故障者などが多く、万全の状態ではない。「1区はある程度戦えますし、3区も堅実に走ってくれると思う。2、4区が不安ですが、5、6区も戦える。4区が終わって16位以内なら安心できますが、20位だったら焦りますね」
5区は起伏が多いコース。以前は上りを苦手としていた小林だが、東京世界陸上対策で上りも強化できた。無理はして欲しくないが、16位より下の順位でタスキを受けたときは、5区の小林の走りがチームのクイーンズ駅伝行きを左右する。
女子マラソン日本記録保持者の前田は3区。前田もベルリン・マラソン(2時間24分36秒で9位)を走って1か月で、万全の状態ではない。ベルリンは平坦で有名なコースで、山口衛里監督は「起伏の少ない3区」を前田に託した。天満屋としては前田で優勝争いに加わりたい。
エース区間の3区には前田の他、日本選手権10000m3位の兼友良夏(24、三井住友海上)、同6位の川口桃佳(27、ユニクロ)、日本選手権5000m6位の伊澤菜々花(34、スターツ)と今季のトラックトップ選手が集まった。他にも上杉真穂(30、東京メトロ)、南雲栞理(30、肥後銀行)、大森菜月(31、ダイハツ)、筒井咲帆(29、ユニバーサルエンターテインメント)、竹山楓菜(30、センコー)、吉川侑美(34、キャノン)、逸木和香菜(31、クラフティア)ら、マラソンや駅伝で活躍した選手たちが名を連ねている。