■石破氏「政治が語るべき」“金額ありき”に疑問

宮古島に配備されている「12(ひとに)式地対艦誘導弾」。防衛省はこの装備を改良し、射程を伸ばして「反撃能力」に使うことを計画しています。
岸田総理は12月5日、来年度から5年間の防衛費の総額を大幅に増額させ、約43兆円にすることを指示しました。

浜田靖一 防衛大臣
「5年間の中期防(中期防衛力整備計画)の規模については、与党とも協議しつつ積み上げで、約43兆円とすること」
元防衛大臣の石破氏は、額が先に決まったことに疑問を感じています。

石破茂 元防衛大臣
「岸田総理は最初、内容と予算をどれくらいにするのか。そして財源、これをセットで決めると言ってたはずですよね。この3点セット論がどこかへ飛んじゃって、まず金額ありきだと」
岸田総理は5月、防衛費は「内容・予算・財源」の3つ一体で考えると説明していたのです。

岸田総理
「具体的な内容が決まらなければ、それに見合う予算というものを申し上げることはできない。それに予算にふさわしい財源は何なのか、議論に進むことはできない。この3つは一体として進めるべき議論であると思っています」
石破氏は中国や北朝鮮のミサイル発射や、ロシアのウクライナ侵攻で“国民の不安が高まっているいまこそ、具体的な内容の説明が必要”だと考えています。

石破茂 元防衛大臣
「安全保障環境がどう変わっていったのか。そして日米安全保障体制でさらに強化すべきは何なのかってことを、聞く耳を国民が持っているときに政治が主体的に語らなきゃいけない。そもそも論は飛ばして、とにかく防衛力強化だ、反撃能力だということだけ語るのは、国民に対して最も良い態度ではないのではないか」