「ただのハッピーエンドにしてはいけない」母として気づいたこと

ゆずちゃんは「どこでも誰にでも、ぐいぐい進んでいくタイプ」だ。ショッピングモールやスーパーなどでも、正直に言うと目が届かなくなってしまう時もあった。

そのまま天真爛漫で元気に育ってほしいと思う一方、実家の父からは「子どもから一瞬でも目を離したらいけない。思わぬ事故や事件もある」と以前から言われていた。父からは「今回は、コアちゃんが身代わりになってくれたんじゃないのか」と指摘もあった。

「たかがぬいぐるみ」と思われるかもしれないが、自分にとっては家族みたいな存在だ。探しながら「あの日の朝、こうしていれば」という後悔を何度も何度も感じた。

今回は自分の不注意で、大切なコアちゃんを失った。
これがもしゆずだったら、と思う。私は生きていけない。

「なくなって見つかるものじゃない。愛情をもって、ちゃんとこの子を見て大切に育てようと改めて思ったんです」

ママの秘密、いつかゆずに伝えられるかな

「イメージですけど、ゆずが20歳になったら…。実はコアちゃんはね…って。ごめんなさいって、私がしたことを謝りたいです。

それから、見ず知らずのたくさんの人が、優しくしてくれたんだよって。こんな素敵なことがあったんだよって話してあげたいです。」

その時その場に一緒にいてほしいのは、初代のコアちゃんだ。
しおりさんは、今も初代のコアちゃんを探している。

でも、見つからなくても、きっとそばにいてくれると信じている。