本当にイライラ!「こんばんは、朝山家です。」
田幸 「こんばんは、朝山家です。」(テレ朝)での小澤征悦さんは、イラッとする小物感のある男が本当にうまいですね。ずっと小澤さんにイライラしながら見ていました。そして、自閉スペクトラム症の息子を演じた嶋田鉄太君のうまさが抜群でした。
影山 そうでしたね。
田幸 呉美保監督、吉沢亮さん主演の映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」(2024)にもちょっと出ていて、この子すごいなと思っていたら、同じ呉監督の「ふつうの子ども」(2025)では主演を見事につとめました。今後さらに引っ張りだこになるんじゃないかな。恐ろしい役者だと思います。
影山 びっくりしましたね。
田幸 びっくりしました、本当に。
倉田 小澤さん演じる夫には、私もちゃんとイライラしました。承認欲求が強いくせにみみっちい。そして中村アンさん演じる奥さんも終始イライラしている。まあ、こんな夫がいたら、これだけイライラしてもしょうがないと共感しました。
でも奥さんは、夫の(脚本家としての)才能を信じているからこそ、イラつきながらも応援しているわけで、夫婦、家族として信頼し合っている背景が伝わってくる。結局、素敵な夫婦じゃないかと感じたりして最後まで楽しく見ました。
影山 松尾諭さん演じる親友が泣くところはドスンときました。あのメッセージはすごく響きました。作者は似たような経験をしているんじゃないか、そんな気にさせるぐらいリアリティのある場面でした。