フランス・パリでファッションの最新トレンドを発信する「パリコレ」が始まりました。独特なアートを生み出す障がいのある日本人作家が世界から注目されています。
今週開幕したパリ・ファッションウィーク、通称「パリコレ」。
人気歌手ビヨンセさんの衣装を手がけるなど、世界で活躍する日本人デザイナー・森永邦彦氏が衣装の絵柄の制作に起用したのは、ある日本人作家たちでした。
パリコレに参加した1人で滋賀県に住む鳥山シュウさん(23)。細やかで緻密な線を描き、動物や街の景色などを独特な世界観で表現していきます。
幼いころに自閉症と診断された鳥山さんは強い不安を覚えたり、コミュニケーションが難しかったりするため、人前で絵を描くときはお面をつけて活動しています。
鳥山シュウさん
「このお面をつけて出ないと生活に支障が出るので。このお面だったら、こういう所に出られるので。絵を描くことは僕の『生きる』ということにつながる。楽しく穏やかになるような絵が描けたらいいなと思って描いています」
鳥山さんらの絵を世に送り出しているのは、岩手県発祥のクリエイティブ企業「ヘラルボニー」です。知的障がいがある人たちが描くアートを商品化し、作家にも収益を還元するビジネスモデルを確立しています。
契約する作家は250人以上。創業者で双子の松田さんも知的障がいのある兄を持ち、「障がい者のイメージを変えたい」と挑戦を続けています。
ヘラルボニー 松田崇弥さん
「(ファッションは)健常者前提主義で、なかなか美しいという土台に障がいのある人は乗ってこれなかったと思っているので、新しい美しさや面白さが世界に広がれば嬉しい」
今回のパリコレで鳥山さんが描いたのは動物たちがいる東京の街並み。ヘラルボニーの作家18人が参加し、鳥山さんの絵を身にまとったモデルも舞台を歩きました。
ショーを見たフランス人
「形と色づかい、そしてショーの雰囲気が素晴らしく本当に良かったです」
「詩的な色彩感覚、そして強いメッセージ性を感じ取りました。ファッション界で新しい才能が開かれるのは素晴らしいことだと思います」
初めてパリコレに参加した鳥山さんは…
鳥山シュウさん
「僕の描いた絵が洋服になって、たくさんの人に見てもらえて、とても嬉しいです。たくさんの人に着てもらいたいです」
ヘラルボニー 松田文登さん
「世界中に異彩を放つ本当にとてつもない作家さんたちが多く眠っている中で、そういう人たちとまだまだたくさん出会って、ともに歩んでいく『ヘラルボニー』でありたい」
障がいがある、なしではなく、純粋に素敵な作品を世に送り出す。唯一無二の才能が世界で羽ばたいています。
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