実は普通の会社員? “保秘徹底”の特殊な環境も

華やかなスクープの裏で、週刊誌特有のタイトな動きはあるものの、編集部員の働き方は意外にも“普通”。K氏は「よその会社の方と話していても、うちが特別に飛び抜けていると思ったことはないです」と、特権意識などもない。
オフィスをのぞかせてもらうと、デスクは固定で、日本の一般的な整然としたオフィスと、特に変わった様子はない。K氏がいる報道担当の「特集班」と、連載などを担当する「セクション班」、カラーグラビアを担当する「グラビア班」は、仕切りなどはなく、席が分かれている。
スクープを追う編集部ならではの「特殊」な仕事環境もある。K氏は、「記者同士が机を並べていても、隣の人が何をしているか知らないということも、よくあります。他の人が担当しているものは、記事が出てから知るというのがざらですね」と実情を明かす。
オフィスを見渡しても、一般的な編集部の壁面などに貼り付けられている「台割り」(印刷物を作成する際にページごとの内容や配置を示す設計図)は、見当たらない。「うちは保秘徹底なので、台割りも皆が見られるところにはない。進捗状況も、人の目に触れるような所には書かず、デスクが頭の中で管理できてればいいというスタンスです」と、情報管理を徹底している。
スクープは神頼み? 週刊誌記者の宿命とは

同誌編集部に所属して13年目。K氏にとって、この仕事をする上で心がけてきたことや、譲れない信条を聞くと、「立場の弱い人に寄り添うこと」と、よどみない答えが返ってきた。
「大きな組織や伝統、絶対的な権力者に事実関係を握りつぶされて、声が上げられないような立場の弱い人の声を聞いて『それっておかしいじゃないか?』と投げかけるのが、この仕事の根本にあるものだと思います。昔から正義感が強かったというより、仕事を通して、自分は実はこういう人間だったんだ、と思ったというほうが近いかもしれないです」