世間を揺るがすスクープを次々と放つ週刊誌『週刊文春』。そのスキャンダルの大きさや社会的衝撃の威力から、通称“文春砲”とも呼ばれるスクープ記事の裏には、どんな日常や人間模様があるのか。今回、同誌デスクのK氏に、貴重な話を聞くことができた。

1週間のルーティンやネタ探しの工夫、験担ぎまで——週刊誌の現場を探ると見えてきたのは、意外にも一般的な会社員の姿や、特殊な現場ならではの作法など。スクープの裏側で奔走する編集部の、リアルな現場をお届けする。

「人から生まれるネタ」――誘いは断らないのが鉄則

今回話を聞いたK氏は、同誌編集部歴12年。「歴史小説がすごく好きで、もともと文芸編集者志望でしたが、入社後すぐに週刊文春に配属され、気づけば5年がたっていました」と、新入社員からの数年間を同誌編集部で過ごし、その後、月刊誌『文藝春秋』へ。しかし、3年がたち週刊誌の世界に戻ったという。

「『事実は小説より奇なり』の言葉通り、現実の方が面白いなと思ったんです。文芸誌よりも、結果私はこっちのほうが向いていたかなと思います」

そんなK氏が守り続けている“ポリシー”は、人からの誘いを「絶対に断らない」こと。「ネタは人と会って話をすることで生まれることが多い。若い頃は、出会いよりもネタを求めて合コンにも行きました」と、“断らない”マイルールを徹底してきた。