『虞犯少年=罪を犯すおそれのある少年』を保護する仕組みは18歳19歳は対象外に


 18歳と19歳が特定少年となった改正少年法。実名報道が可能になる一方で、ある人たちへのセーフティネットが外れた。それは『虞犯少年』だ。


 虞犯とは「罪を犯す虞(おそ)れがある」という意味で、家出を繰り返していたり、パパ活などで売春していたり、暴力団と関係があったりと、犯罪に関わるおそれのある少年を保護し、少年院などへ送致できる仕組みだ。この対象から18歳19歳が外れた。

 虞犯で保護された少女「大きいことをする前に自分が気づけてよかった」


 大阪府交野市にある女子少年院「交野女子学院」。現在は27人が収容されていて、うち虞犯少女(罪を犯す虞れがある少女)は18歳19歳の4人。窃盗に次いで2番目に多いという。


 Aさん(18)は5か月前、当時17歳の時に家出を繰り返していたところを保護され、少年院へ送られた。

 (虞犯(家出)で保護されたAさん(18))
 「家出して、不良交友・不良仲間と遊ぶようになって、暴行やけんかの現場に一緒に同行したりしたのが原因。『なんでうちが捕まったん?』『もっとひどいことしてる子たちおるやん』と思っちゃっていた。先生たちと話したり、(講演に来た)被害者遺族の方の話を聞いたりしていたら、やっていることに大きいも小さいもなくて、自分もそれほどのことをやっていたんだなと自覚するようになってきた。(Q18歳19歳は虞犯で処分されなくなるが?)え、そうなんですか。捕まらずにこのまま成長していくのはすごくこわい。虞犯のときに捕まってよかったな、大きいことをする前に自分が気づけてよかったなと」


 Bさん(19)も家出を繰り返すなどしていたところ保護されたという。

 (虞犯(家出)で保護されたBさん(19))
 「虞犯で来ました。会ってはいけない人がいたんですけど、関係を切るためにも少年院に行って整理しようと。ここに入る前は話しやすい大人とかがいなかったんですけど、ここに来て自分のこととか考える時間、考えられるようになったかなと思っています。少年院を出たら大学に進む予定で先生とも話しています」