■岸和田競輪場の関連工事の入札めぐり起訴


 また、永野容疑者は9月24日、岸和田競輪場施設整備工事に関連して2021年5月に行われた競争入札をめぐり、同じ男性に最低制限価格を伝えて工事を落札させたとして、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の罪で起訴されました。

 起訴内容は、永野容疑者が入札の4日ほど前に、携帯電話で男性に電話をかけ、最低制限価格が3億4754万6000円(税抜き)であることを教え、男性が代表取締役を務めていた建設会社に、それを2000円だけ上回る額で落札させたというものです。

岸和田競輪場


・2021年5月の入札 岸和田競輪場施設整備工事
 男性が代表取締役を務めていた建設会社が、最低制限価格より2000円高い3億4754万8000円で落札
 (建設会社7社が参加 1社が最低制限価格下回り失格 1社が辞退)

■事件の経緯や業者からの働きかけは


 地検特捜部は、起訴された件についても、永野容疑者の認否を明らかにしていませんが、永野容疑者が落札させるために、繰り返し正確な情報を漏らしたとみて、最低制限価格を漏らした経緯や、業者側からの働きかけなどについて捜査しています。

 永野容疑者は2018年の岸和田市長選で初当選。女性との性的関係をめぐる裁判で、解決金を支払うことなどで去年11月に和解が成立したものの、岸和田市議会から2度不信任を受けて今年2月に失職。今年4月の市長選に出馬したものの、落選していました。

■岸和田市長「最低制限価格にランダム係数を加える仕組み導入」

岸和田市・佐野英利市長(9月26日)


 岸和田市の佐野英利市長は今回の件を受け、9月26日に臨時の会見を開き、入札制度を改革する考えを明らかにしました。

岸和田市・佐野英利市長
「汚職事件が起き、前市長が再逮捕される事態となりました。市民の皆様に大きなご不安、そしてご心配をおかけしていることに対して、心からお詫びを申し上げます」

「今後は最低制限価格に対して、入札当日にランダム係数を加える仕組みを導入していきたい。このことにより、私も含めて事前に正確な最低制限価格を知ることが不可能になり、不正を根本から排除していきたい」

 佐野市長は来年4月をめどに新しい取り組みを導入し、透明性を確保し、不信感を払拭していきたいとしています。