米&欧の良いとこ取り!シャインマスカットができるまで
甘くて粒が大きく皮ごと食べられて病気に強い…そんなぶどうを作ろうと、長年の研究の末に誕生したシャインマスカット。私たちの食卓に並ぶまでには、長い道のりがありました。
そもそも、品種改良というのは、「民間」「県」「国」の3者が行っていて、それぞれ違った意図を持っています。
▼民間の種苗会社⇒優良な自社製品を作り販売先を限定して質を担保
▼県単位の農業機構⇒オリジナル品種をつくり地元の産業創出
▼国⇒“苗”の囲い込みがなく全国に広がる
シャインマスカットは、国が開発に成功した品種で、「独立行政法人 農研機構 果樹茶業研究部門 ブドウ・カキ領域」(広島県東広島市安芸津町)で作られました。
まず、アメリカの品種「スチューベン」とヨーロッパの品種「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を掛け合わせて「ブドウ安芸津21号」ができました。これは、「病害に強いが実がかたい」=アメリカブドウと、「香りが良くかみ切りやすいが病気に弱い」=ヨーロッパブドウの“良いとこ取り”です。
次に、ヨーロッパの2品種「カッタクルガン」「甲斐路」を掛け合わせて「白南」という品種をつくり、さらにその「白南」と、先述した「ブドウ安芸津21号」を掛け合わせてシャインマスカットが生まれたのです。
<シャインマスカットが生まれるまで>
(1)「スチューベン」×「マスカット・オブ・アレキサンドリア」⇒「ブドウ安芸津21号」
(2)「カッタクルガン」×「甲斐路」⇒「白南」
(3)「ブドウ安芸津21号」×「白南」⇒シャインマスカット