食べごろを迎えている「シャインマスカット」。高級なイメージがありますが、今年は安いもので1房700円~800円で販売されている道の駅も。実は、ここ数年で価格は下がる傾向にあるそうですが…

 安くなっている理由は?そもそもシャインマスカットはどうやって生まれた?近畿大学・佐藤明彦教授と、岡山大学・福田文夫教授への取材をもとにお伝えします。

「作れば儲かる」“ぶどうの王様”シャインマスカット

 “ぶどうの王様”ともいわれる シャインマスカット。品種改良により日本で生まれたぶどうです。

 実は歴史が浅く、苗木が出回り始めたのは2007年ごろ。出始めた頃は知名度が低く、価格もさほど高くありませんでした。

 しかし、「皮ごと食べられる」「種がない」「水洗いするだけ」といった“手軽さ”が評判に。海外需要の増加なども相まって価格が上がっていったといいます。

 ▼毎年9月の1kgあたり平均価格(東京中央卸売市場)
 ・2012年 約1000円
 ・2021年 約2000円
 ・2024年 約1700円

 価格のピークは2021年で、それ以降は下がってきています。主な理由は「生産量の増加」。消費者がシャインマスカットの美味しさに気づいて海外需要(台湾や香港など)が増加し、「作れば儲かる」ため生産者が増えました。その結果、供給過多となり価格が下がっていったのです。また、「品質のばらつき」が出てきたことも、価格下落を後押しした可能性があるといいます。