「老後のための資金を補いたい」と考えてある不動産ファンドに出資した人たちから、いま悲鳴が上がっています。そのファンドの名は「みんなで大家さん」。不動産の賃料収入から分配金を配るとして、全国の3万7千人以上から総額2000億円を超える出資金を集めています。
しかし、主力商品の分配金の支払いが2か月連続で遅れ、さらには「解約したいのにできない」と出資者たちが集団提訴する事態にまで発展してるのです。
MBSは約2年前からこのファンドを追跡取材しています。一体何が起きているのか、迫りました。
“虎の子”400万円を出資したのは「世界一の街をつくる」プロジェクト
(400万円を出資したAさん(70代))「自分のお金ですから。虎の子の。まだむこうの資金があるうちに返してもらえるなら」
お金を返して欲しいと訴えるのは、不動産ファンド「みんなで大家さん」に出資する70代のAさん。「年金だけでは老後生活に不安」と、400万円を“ある商品”に出資しました。
その商品は「世界一の街をつくる」というプロジェクトでした。
(Aさん)「完成図のビデオの宣伝なども見たんですけど、これは上手く成功するんじゃないかと」
客席数5000を超える青い球体アリーナに、外国からの観光客を迎える大きなショッピングモール。成田空港近くにある東京ドーム10個分(約45万平方メートル)の敷地に、新しい街「ゲートウェイ成田」をつくる大規模開発プロジェクトです。
Aさんはこの新しい街に出資したというのです。