「1回見たところだったのに…」豪雨で大切な姉を亡くした男性の後悔
地震で自宅が全壊した中山真さん(29)。

中山真さん
「残念ながら置くところが無くて、こちらに置くことになっちゃいましたね。やむを得ず」
3歳上の姉・美紀さんを、2024年の豪雨で亡くしました。

喜入友浩キャスター
「真さんにとっては、どんなお姉さまですか」
中山真さん
「家族の中心的な存在でした。太陽のように笑顔が絶えない姉です。めっちゃ仲良かったんです。お互いの休みが合えば、必ずというくらい映画館によく観に行っていた」
1年ぶりに、美紀さんが亡くなった現場へ向かうといいます。
中山真さん
「豪雨から1年ということで、そろそろ行かない訳にはいかないかなと」

喜入友浩キャスター
「この1年間行こうって思ったことは、ありますか」
中山真さん
「何度もありましたけど、思い出したくない気持ちがあったんでしょうね。行かなかったです、正しくは」
命日を前に、姉の最後と向き合うことにしたそうです。

中山真さん
「ここだ、ここですね。あの時の赤いシールが残ってる。車が見つかりましたっていう印のシールですね」

2024年の豪雨の後、この場所で発見された美紀さんの車。美紀さんは、職場から帰宅途中に脱輪し、外に出た際に、足を滑らせて流される様子がドライブレコーダーに映っていました。
行方がわからなくなった美紀さんを、真さんは必死に探しました。

中山真さん
「ほぼほぼ毎日ここの現場に来て、ずっとここを歩いていました。どこにいるかなって」
1か月後、約500m下流で美紀さんの遺体が見つかりました。

中山真さん
「あそこ見たのになって、1回見たところだったんですよ。めっちゃ悔しかったです、助けてあげられなかったって。心臓が握りつぶされるような痛さでした。
あふれてきました、いろんな気持ちが。逃げたい気持ちと、向き合わなければいけない気持ちが闘っている感じなんです、私の心の中で」