9月8日放送のRKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』に、東アジア情勢に詳しい元RKB解説委員長で福岡女子大学副理事長の飯田和郎さんが出演。中国共産党が地方機関に発令した「形式主義の打破」という通達から、中国社会、ひいては日本社会にも通じる組織のあり方について語りました。
短い演説と「形式主義の是正」
9月3日、中国は抗日戦争勝利80年を記念する式典を北京で開催しました。習近平主席がプーチン大統領、金正恩総書記と並び立ち、軍事パレードも行われるという、習主席にとっての晴れ舞台でした。しかし、その演説時間はわずか10分間。晴れ舞台にしては短い、というのが私の第一印象でした。
この短さには理由があるのかもしれません。先日、中国共産党と中国政府は、形式主義を戒めるため、地方機関に向けて「現場の負担軽減のための、形式主義を是正する若干の規定」という通達を発令しました。この通達は、中国共産党トップ24人で構成される中央政治局会議で決定されたもので、リーダーである習近平主席の肝いりと言えます。
通達の冒頭では「形式主義や官僚主義は依然、根深く、大きな努力をもってして、根絶しなくてはなりません。形式主義、官僚主義に手足をしばられてはいけません」と、強い言葉で戒めています。習近平主席が自ら率先して短い演説を行ったのかもしれません。