■クマは待ってくれない

しかし課題もあります。銃火器を使用するのには当然危険が伴います。それはどんな状況であれ。そもそも市町村が使用の判断と言っても、現場に判断を委ねるということは、考え方によっては「丸投げ」になります。

的確なスキルを持った銃の使用者の育成、責任の所在の明確化と被害の補償、現場が迅速な判断を行うための安心材料の構築など、もちろん考えられていないわけではありませんが、補強すべきポイントはあるのです。

しかし、クマは国や自治体の判断の遅さなど待ってくれません。

クマの出没が相次ぐ中、県と警察は、県民ができる対応として、目撃された場所では夜間や早朝の外出を控えること、クマのエサとなる生ごみを家の周囲に置かないことなどを呼びかけているほか、クマを見つけた際はすぐに市や警察に通報してほしいとしています。