エンゲル係数は実態を反映している?物価高でも貯蓄は増えた

井上キャスター:
日本の平均貯蓄額は、エンゲル係数の上昇に伴って増えています。(総務省「家計調査」より エンゲル係数:2人以上の世帯 貯蓄額:2人以上の世帯のうち勤労者世帯)

貯蓄額がある程度増えている中で、エンゲル係数が増えているとなると、本当に貧しい方向に行ってるのでしょうか。分母の消費支出に貯蓄を加えて、食料費をみたほうが実態により近いのではないかと思って計算し直してみました。

現在のエンゲル係数は28.3%ですが、貯蓄を考慮するとエンゲル係数は16.9%になりました。(※総務省「家計調査」のデータを元にNスタが作成 2人以上の世帯/2人以上の世帯のうち勤労者世帯(貯蓄を考慮))

しかし、貯蓄は平均値か中央値にもよって差が出てくるので難しいのですが。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
確かに、貯蓄はお金持ちと貯蓄のない人を合算して平均値を出すと意外と高いですが、中央値、つまり1番から100番までの人のうち、50番目の人を見ると意外と低いということがあります。

日本人の場合、特に若い人は“貯蓄ゼロの人”と“たくさん持っている人”がいるので、平均で出したからといって、あまり意味がないのではないかという議論もあり、そこは要注意だと思います。

井上キャスター:
今、ライフスタイルも多様化していて、こんな方もいるのではないかと考えました。

▼年収1億円
社会保険料など5000万円
貯蓄 4700万円

消費支出 300万円
食料費 100万円

あまりお金を使わないという方だと、年収が多くても、エンゲル係数が約30%と高くなります。

そういう方もいると考えると、これまでずっと使ってきたエンゲル係数がどこまで実態を反映しているのか、わからなくなってくるのではないでしょうか。