器を通して能登の生活文化を次の世代につなぐため井川さんは珠洲市内を中心に買い取りを進めますが…。

買い取った在庫を保管していた珠洲市飯田町の倉庫も津波の被害を受け、そのほとんどが一度流されてしまいました。

買い取ったものを置く倉庫があった珠洲市飯田町


去年の地震と津波により行き場を失った能登の家財道具はさらに増えることになります。

「地震後は空き家ではなく一般の方から買い取りの依頼が増え、震災で解体を余儀なくされている方から今まで大切にしてきたものを有効に利用したい、使ってもらいたい。という話で買い取りの依頼が増えた。」

今年8月までに仕出し業者や個人などから買い取った在庫は全部で20トンとなりました。

「高価なものがポイポイ…ゴミ捨て場でしょ。ほんと泣ける。今まで祭りに何十年も使ってきて大事に、しまう時も布拭きで拭いて箱の中へしまっていく。」

菊谷正好さん

井川さんの珠洲での活動に協力する菊谷正好さん。

井川さんの珠洲での物件探しを機に知り合った菊谷さんはキリコの修復や欄間など建具を制作する建具職人です。

菊谷さんの作業場も天井が落ち柱が傾くなど大規模半壊の判定を受けていて、10月に解体される予定です。