森友学園をめぐる公文書改ざん問題で自殺した近畿財務局職員の妻が、当時の財務省理財局長・佐川宣寿氏に賠償を求めた裁判で、大阪地裁が11月25日、妻の訴えを退け佐川氏の賠償責任は認めませんでした。今回の判決について雅子さんの代理人弁護士の生越照幸氏は雅子さんと向き合ってきた2年8か月を振り返ると共に「国が責任を認め、公務員に個人責任を負わせないのなら今後、真相解明ができない。裁判所は公務員の違法行為の抑制に向き合ってほしい」と話します。

佐川氏への請求棄却…判決後の打ち合わせで雅子さん「非常に立腹」


ーー妻・雅子さんが損害賠償を求めていた裁判では、去年の12月に国が認諾、つまり全面的に国が認め、賠償金約1億700万円を支払い、幕引きとなりました。赤木さんの訴えを国側が認め、裁判が強制的に終わり、真相解明にはなりませんでした。一方で佐川氏には1650万円の賠償を求めていましたが、11月25日の判決で佐川氏の賠償責任を否定し、請求は棄却となりました。率直に判決をどのように受け止めていますか?
「この訴訟は真相を解明する、『なぜ俊夫さんが亡くなったのか』、『その原因と経緯を明らかにする』のが一番の目的でした。そんな中、国は認諾をしました。裁判所は尋問の予定を実はしていたんですがその予定を聞いた直後に、国が認諾をしてしまった。そのため真相解明できるとしたら佐川さんへの請求しか残されていなかったんですが、結局尋問の申請も認められず請求が棄却となりました。残念ながら訴訟の一番の目的、『なぜ俊夫さんが亡くなったのか、どういう経緯だったのか』ということは少なくとも地裁レベルでは明らかになりませんでした」

ーー生越先生はこの裁判でずっと赤木さんと共に戦ってこられましたけども、赤木さんの様子はどのように見えましたか?
「今日(11月25日の判決当日)はやはり緊張されていたと思いますね。数日前からもやはりずっと緊張されていたと思います。判決の内容を聞いて、事務所で少し打ち合わせをしていたんですが非常に立腹されていました」