裁判所が「公務員の個人責任」に向き合うべき社会状況になっている

ーーー方、佐川元理財局長側の主張ですが、公務員が職務上他人に損害を与えた場合、国が賠償責任を負う場合は、個人として責任は負わないという主張です。生越先生によりますと、権限の乱用を防止する必要性があるのではないかと訴えています。
「赤木さんが訴訟を起こしたのは本当に最後の手段だったんですね。もう国会もダメ、刑事手続きも不起訴になってダメ、情報開示もダメということで訴訟を提起したときに仮に今回のように、国家公務員が何らかの違法行為をして、国に対して請求をしたときにですね国が認諾をしてしまうと個人責任しか残らないわけですね。ただそうしてしまうと残された個人責任が追求できなければ真相を明らかにすることはもう絶対ならないですし、問題の所在すら明らかにならないわけですよね。ですからそういう意味でやはりこういう訴訟を個人責任の手続きを通じてそこに対してちゃんと裁判所が向き合うことで、将来の公務員の違法行為を抑制するという必要性が現在の社会状況を踏まえるとあるのではないかなと個人的には考えています」
ーー佐川氏への尋問について大阪地裁は「実施せず等も判断は可能だ」という判断を行いました。この判断はどう感じていますか?
「やはり基本的には最高裁が国家公務員の個人責任は国が責任を負う場合は、個人が負わないという考えなので地裁はその考えに形式的に従って判決を出されたと思うんですが、公務員の個人責任と言っても色々な話があると思うんですね。例えば一般の公務員の方が万引きする話と今回の佐川さんのような改ざんの話は全然内容が違うわけですから、ぜひともその実質に踏み込んでいただいて、実質に踏み込むためには尋問を採用していただきたかったんですけれども残念ながら地裁ではそういう必要性はないと。踏み込まずに公務員一般だからこれも一般的にもう責任を負わないので、そこまで実質判断する必要がないですよっていうふうな判断をされたのだとは個人的には考えています」

「やはりきょう(11月25日)話し合ったんですが赤木さんとも、この判決が残ることはやっぱり控訴しないことには、将来的に俊夫さんと同じような方がまた出てきてしまうんじゃないかとやはり最後まで戦い続けるべきではないかということになりまして、控訴をすることになっています」
(2022年11月25日放送MBSテレビ『よんチャンTV』より)