(おまけ)ちなみに…ウツボの味は?実際に食べてみた

「食べ方」の解説版を見ていると、やっぱり魚が食べたくなりました。特に気になったのは「海のギャング」、ウツボの味です。

そこで、シードーナツがある上天草市から天草市へと車で南下すること1時間半。天草諸島の最南端・牛深で、ウツボ加工品を販売する「中村商店」にやって来ました。

今回食べてみたのは、湯引きとから揚げです。

まずは湯引きから。地元のスーパーにも並んでいて「これを食べないと宴会が始まらない」という程、愛される味です。酢味噌をつけていただきます。

初めての食感だったので、擬音で表現してみました。

「ギュッ ムチ… モチモチ」

3単語に分けて解説すると、こんな感じです。

「ギュッ」(鶏ささみの様な、淡白で引き締まった身の食感です)
「ムチ…」(ウナギより厚いゼラチン質の皮を噛みしめます)
「モチモチ」(嚙み切った皮の歯ごたえを楽しみます)

続いてから揚げ。味付けはシンプルに塩コショウです。

こちらは「皮が厚めの鶏胸肉の唐揚げ」といったところでしょうか。衣と油をまとったことで、湯引きよりも身と皮に一体感が生まれています。

「どちらも、おいしい」というのが率直な感想でした。

店主の中村安雄さんによりますと、かつてウツボは革製品にするため捕獲していました。当初は廃棄されていた身を料理として活用し始めたところ、現在まで地域で愛される食材となったのです。

地元客や帰省者からの注文はもちろん、「牛深ではウツボが食べられる」と知った観光客が車やバイクで店を訪ねてきたり、「捌き方を教えて欲しい」と、遠路はるばる修業に来たりするといいます。

しかし乱獲や海水温の上昇で年々漁獲量が減っていて、値段の高騰も止まりません。

中村さんも、シードーナツのスタッフ達とはウツボのやり取りする間柄。厳しい現状で「展示を通してウツボのおいしさを知ってもらえると、嬉しいことだ」と話します。

もし水族館で「おいしそう」な発見をしたら、その土地で、その魚を実際に食べてみる。そんな経験も、一つの楽しみ方ではないでしょうか。